でも、あなたには彼女がいました。
あなたは私のすぐ近くにいるのに、
手が届かないんです。
こんなに苦しいのなら、あなたを好きになりたくなかった。
あなたを忘れたい。
でも、時間が経つ程に好きになっていくんです。
壊れそうなくらいあなたが愛おしいんです。
あなたが彼女と別れた時、
彼女の愚痴を私に話してくれました。
すごく、すごく
嬉しかった。
だけど、それだけあなたは彼女のことを愛していた。
すごく、すごく
辛かった。
時間が経ってもあなたは彼女のことを愛していたんでしょう。
私には、わかります。
ずっと、あなたの背中を見てきました。
あなたを抱きしめてあげたい。
辛いのなら忘れたらいい。
でも、私は言えなかった。
抱きしめることもできず、私はあなたの寂しそうな背中を見ているだけでした。
授業中、後ろの席で二人だけの世界…
灼熱の太陽が照り続ける窓際で「あっちぃ~」と唸るあなた。
そんなあなたを見て、パタパタと下敷きで後ろから扇ぐ私。
端から見れば、王様と奴隷。
それでも構わない。
誰よりもあなたの近くにいるのが私だって実感できたらいいんです。
あなたの目に私は映っていますか?
あなたの心に私はいますか?
運動会のダンス練習の時、
あなたは私とペアになりました。
嫌そうな顔をしてみせたけど、本当はとても嬉しかったんです。
手なんて、彼女じゃないと繋げないでしょう?
そっと握ってくれたあなたの手は思っていたより大きかったです。
そして、すごく温かい人だと思いました。
やっぱりあなたのことが好きみたいです。
だって、この手を離したくないから。
ずっとずっと、
握っていたかった。
私は、あなたの彼女になれますか?
私はよく、
「つきあっているの?」
とみんなから聞かれるようになりました。
どんなに仲が良くても、
恋人でないことは私もわかっています。
だから「付き合ってないよ」と決まり文句のように言うしかなかったんです。
そんなに好きなら告白すればいい。
何度も自分から告白しようと思いました。
でも、無理なんです。
この関係が壊れてしまったら、もう、元の二人には戻れないでしょう?
もし、結果が駄目だったらと考えると行動に移せなかったんです。
すごく、すごく、
臆病なんです。
だって、すごく好きだからあなたを失いたくはないです。
ある日、あなたはこんなことを私に言いました。
「お前を一番頼りにしている」
正直、嬉しかったです。
でも、よく考えればそれが答えでもありました。
あなたは、私のことを最高の友達と思っている。
そうでしょう?
だから、私は決めたんです。