そして、その車でどこかに行ってしまった。

声をかければ良かった。

でも、こんな俺がなんて…。




「お前、浮気してるだろ!!」




言えねぇ…。

俺だってしてたから。

首を垂らして車に戻る。

リサコ…

リサコ…

俺がイヤになったか?

愛想つかしたか?

そいつが好きなのか…?

どこで出会った?

どうして…

なんで!!




気が付くと張り裂けそうな胸を押さえて、車を走らせながら泣いていた。

俺のせいだ…

俺が…

あんな事したから…

今、携帯に連絡を入れたっていいのに。

俺にはできない。

なぜだろう…

怖いのか?

なぜかできない。

そして家に帰ったんだ。