少し車を進めたけど何と無く引き返したかった。

俺はUターンをして駅に戻ったんだ…。

この行動がバカだった。

ロータリーの端に車を止めた。

歩いてリサコを下ろした場所に向かう。

車だとすぐにバレるから。

別にバレてもいいのに…

疑ってる訳じゃないのに…

いや…疑うってか不安だった。

「あっ、リサコ!」

リサコはベンチから立ち上がって誰かに手を振っている。

…誰かって。

…誰かって。




黒の四駆…。




勘はバッチリ当たってしまった。

…まじかよ。

なんで…。

リサコは笑顔で車に駆け寄る。

乗り込む間際に髪型なんか整えて…。




女になっていた。