「こんばんは。」



私の背中に寒気がした。


卓也…。


卓也が急に後ろから声をかけてきた。


車で待つって言ってくれたじゃん。


なんで…


やっぱり堪えられなかったの?


お願い、勇気に手を出さないで。


「卓也…車に居てよ…」


「あの…お名前伺ってもいいっすか?」


卓也は勇気に名前を聞いた。

勇気は立ち上がって、両手で顔を拭くと丁寧に答えた。


「浜野です。」


浜野。

勇気、浜野っていうんだ。


「浜野さん…リサコの事、本気なんすか?」

「はい…旦那さんには悪いとは思いましたが。」