顔を上げるとリサコまでワンワン泣き出していた。


「罪悪感…?」


「違う…勇気が好きな気持ちに嘘はないんだ。ただ……旦那を裏切れない……。」


思わず膝から崩れ落ちた。
どんなにカッコ悪くてもいい。ただ、リサコにすがりたかった。


「好きなら…」

「もう…無理なの…」


あの頃に戻りたい。


そう思った。


普通に電話して、普通に話して、メールして…普通に会って、飯食って…


あの時はもっとリサコといたかったのに、今思えば贅沢だったんだ。


失うくらいなら、もうあんな発言しなければ良かった。


そうしたら、今でもリサコといられたかもしれない。


わかってたのに…


どっかでわかってたのに、止められなかったんだ。