心臓が今までにないくらい、早く動いてる。


このままじゃ、リサコが来る前に倒れちまう。


って、リサコが来るなんて決まってねぇか…。


時計を見る。


まだ9時50分…


5分しか経ってねぇし…。


その時、待ちに待ったあの声がしたんだ。


「勇気……」


幻聴かと思っても体がビクッと反応した。


暗がりから歩いてくる人影。


「リサコ…?」


間違いなくリサコだった。


リサコ!!


来てくれた。


俺の最愛のリサコが…


全部捨てて俺の元へ…!!