自分の嫁を奪おうとした人を目の当たりにするかもしれない、今の瞬間を卓也はどう思ってるんだろぉ…。



私なら絶対こんなに凜としていられない。



勇気との待ち合わせ場所につくと、遠くの暗がりの中に勇気の姿が見えた。背中を丸めてガードレールに座りながら辺りを気にしたり、時計を見たり。



やばい。


胸が苦しい。


勇気…ごめんね。



その時、卓也が突然私を抱き寄せた。


「わぁ…っ!」


驚いた私の体を力強く抱きしめて、卓也は私にキスをした。そして名残おしそうに、唇を離したんだ…。



「リサコ…待ってるから行っといで!」


「うん…すぐ戻る。」