「だって…夫婦だもん……離婚なんて……無理だよ……。」

「リサコ……好きなんだろ?」

「ダメなの!!私は奥さんなの、卓也の奥さんなの。」

「リサコは本当にそれで平気?」


顔を上げると卓也は泣きながら私を見ていた。



「ごめん、卓也…泣かせてごめん……。」

「泣かなくていいよ…俺が悩ませたんだ。」





「卓也……卓也……卓也……」






私は卓也を選んだ。



だって夫婦にまでなった卓也を捨てて新しい道を歩むなんて、私には無理なんだ。


卓也は今、変わろうとしてくれてるんだ。



だから、この人は裏切れない。