ご飯を作ろうと思っても手につかなかった。



卓也…お腹減らして帰ってくるのに…。









「ただいまぁ」



ビックリして包丁をまな板に落とした。



「おい…危ないじゃん、どーした?」

振り返ると真後ろに卓也がいた。

「ビックリしたぁ…玄関開いたの気付かなかった。」

「え?玄関でも、ただいま言ったし!考え事?」

「うん…ごめん。ご飯まだなんだ…急いで作るね。」




不思議そうな顔で卓也はソファーに腰掛けた。