旦那の顔を見上げる。


旦那も私の顔を見る。




今、この状況を打開できる人間はここにはいない。


みんながみんな、どうしたらいいのかわからないんだ。




全員泣いていて、冷静さを保てる人間がいない。



「サラさん…今はどうしたいの…?」

「卓也が欲しい」

「………。ねぇ…あんた、サラさんのとこに行きなよ。殺されるくらいなら、あんたをあげた方がマシ。」



卓也は私の腕を掴んだ。



「リサコ…」



卓也は私から手を離してそのまま悲しい顔をしてサラの前に立った。