「ご飯作るね」
龍平の腕の中を抜け、晩ご飯の用意をする。
龍平は普段何も言わないけど、誰よりも皆を見ていると思う。そして気付かせてくれる。自分自身の事がわからないあたしを導いてくれる。
「ただいま」
玄関から雅の声がし、雅と虎太郎が帰って来た。
「腹減ったー!!羽流、今日の飯何ー?」
ドカッと椅子に座り、タバコに火をつけ、フゥーと煙をはいた。
「オムライスだよ」
「ほなできたら呼んでやぁ。先風呂入ってくるわぁ」
「わかった」
雅が隣でお皿を出したり並べたりしてくれる。
「最近羽流ちゃんにばっか料理やらせちゃってごめんね」
「ううん。あたし料理好きだから」
「羽流ちゃんは本当に料理が上手いからねぇ」
「雅には負けるよ」
本当に雅には負ける。久しぶりに雅の料理が食べたいなぁ。