龍平、だから何?何抱きしめてんの?あたしにどうしろって言うのよ…



「龍平離して」

あたしの腰に回す龍平の手の力が強い。

「……笑ってる」


耳元で聞こえる龍平の声に、こんな状況だからか緊張する。


「お前最近笑ってる。笑ってるって事は何も感じてねぇはずがねぇだろ」

「……あたし自覚ないよ。笑えてんのかわかんない」

「違ぇ。笑えてるじゃなくて笑ってんだよ」



…一緒じゃないの?


「笑えてるってのは意識してんだよ。笑ってるってのは無意識。笑うって事は無意識にするもんだろうが」