また鳥肌が立った。でもこの声は雅じゃない。そう、確かにあたしの隣に座る龍平の声。

「俺らはね」

雅が話し出す。

「コイツら全員の命預かってんの」

「全員…」

「そう。1000人を超える奴ら全員の。こっちの世界にいるって事は常に死と隣合わせ。だから俺らはそれなりの覚悟持って走ってる」

暴走族ってただうるさくて、迷惑な存在でしかないと思ってた。でもここは違う。この人たちは違う。



そしてゆっくりと走り出した。