「虎太郎、今日バイク?」

「当たり前やん!!はよ走りたてしゃあないわぁ」

虎太郎のテンションは上がり続けている。

「今日は多分乱舞龍だけだから、ポリも少ないと思うけど気抜くなよ」

雅に釘を刺されている虎太郎。

あたしは何もわかんないから、とりあえず窓の外を見てた。


着いた先はさっきの倉庫。そこにはすでに数百台はあるバイクが、待ち切れないかのようにエンジンを唸らせていた。

車の中にいて、これだけの爆音なんだから外に出たら鼓膜破れそうだな…

「んじゃ俺行ってくるわ!!」

虎太郎は車が止まった瞬間にドアから飛び出し、爆音の中に走って行った。

「虎太郎楽しそうだね」

「アイツは走る事と女の事しか頭にないんだよ」

女って…

フフッてちょっと笑えた。

でも、何かに熱中できるって羨ましい。

バイクがゾロゾロ走り出す。そしてあたしたちを乗せた車も走り出す。


「闇に集えし者達の我命に代えて守らん」