龍平は無表情だった。だけどあたしの目をその鋭い眼差しで真っ直ぐに見た。顔を背けたいけど、頬を挟む龍平の力には到底及ばない。



「嘘なんか…つかなくていい」

「……」

「醜いでしょ?皆みたいに笑ってよ。皆みたいに顔殴ってよ!!」


一瞬龍平は眉をひそめた。


「お前はお前だろうが」

「そうだよ。嫌でもこの顔はあたし」




そう言い放つと、龍平はいきなり着ているロンTを脱ぎだした。




心臓が止まるかと思った。




「こ…れ」




胸から下腹部までまるで刀で切られたような痕が何本もあった。そしてタバコの痕、いわゆる根性焼きが体のあちこちにあった。

「俺は俺だ」