雅の顔付きが全然違う…これが、暴走族副総長の顔。



「羽流ちゃん、帰るよ」


見上げたそこには穏やかに笑う雅の顔。




倉庫を出て車に乗り、来た道を走り始めた。

「羽流、びっくりしたやろう?」

虎太郎が楽しそうに話かけてくる。

「うん。雅に一番びっくりした」

「俺?」

チラッとルームミラー越しにあたしを見る。

「穏やかなのに、急に殺人者みたいな目になってた」

「ギャハハッ!!殺人者やてぇ」

虎太郎は一人お腹を抱えて爆笑してる。

「殺人者ってヒドいなぁ」

「まぁでも、キレたら相手殺すぐらいやってまうからなぁ」

「怖いって」

「虎太郎、羽流ちゃんに変なイメージ付けんなよ」

後ろから見る雅と虎太郎の言い合いは、見てるこっちがほのぼのするぐらいだった。