「ごめんね」

そう言って後部座席に乗り込んだ。

「羽流、荷物少ないなぁ」


2つのボストンバッグを見ながら虎太郎が言った。


「じゃあこのままちょっと寄るとこあるから、羽流ちゃん付き合ってね」

「うん」




走り出した車は、あたしの知らない街だった。


虎太郎はかかってるCDを口ずさみながら携帯を触っている。隣にいる龍平は相変わらず足と腕を組んで寝ていた。



「着いたよ」