下に降りると、そこには真っ黒のベンツが停まってた。3人は当たり前のように車に乗る。雅が運転席、虎太郎が助手席。龍平が後部座席に乗った。

呆然と車を見るあたしに、

「はよ乗らな置いてくぞー」

って笑いながら言った。
いそいそと後部座席に乗り込むあたし。

「すごいね」

車内を見渡し、さすが高級車だと思った。

「羽流ちゃん、住所言って」

ルームミラー越しに雅があたしに聞く。
「駅前の××アパート」

「了解」



そして車はゆっくり走り出した。