眩しい…
目をシバシバさせながら徐々に開けていく。
越えた。
あたしは3年振りに夜を越える事ができた。
「あれ?」
真っ黒なソファーの上にはあたしだけしかいなかった。
龍平?
「あっ、羽流ちゃんおはよう」
雅がキッチンから声をかけてくれる。
「おはよう」
「よく眠れた?」
「うん」
あの夢すら見なかった。
「今朝ご飯作ってるから、顔洗ってきなぁ」
「ご、ごめん!!朝ご飯まで…」
「羽流ちゃんはここに住んでるんだから」
ニコッと笑う雅はやっぱりあたしの癒やし。
「あたしも手伝うよッ」
急いで洗面を済ませ、雅の隣に立った。雅は目玉焼きを焼いているところだった。
「じゃあ龍平と虎太郎起こしてきてくれる?」
「部屋勝手に入っていいの?」
「部屋入って起こさなきゃ、アイツらは起きない」
フフッて雅は笑った。
龍平、あの後部屋戻ったんだ…そりゃああの体制で朝までっていうのはキツいよね。