「虎太郎!!とりあえず銀次をマンションに連れてって!!」


あたしは必死に虎太郎の腕を抑える。でも所詮あたしは女で、しかも虎太郎はそこら辺の男とはまたワケが違う。虎太郎の腕なんか抑えられるはずもない。


「羽流に何した!?」


収まらない虎太郎に焦っていると、後ろから声がした。


「虎太郎、やめろ」


振り向かなくても、低く、お腹にまで響いてくるこの声は龍平のものだとわかった。


「龍平!!」


振り向いたところには、龍平と雅もいて雅は虎太郎の腕を掴むと、


「とりあえず乗って」


と、それだけ言ってまだ何か言っている虎太郎を引っ張って行き、車に乗せた。