「話はまた明日するから」
そう言ってあたしは銀次の方へと走り出し、
「だから遅刻しないでねー」
と将人に手を振った。
「お待たせ」
銀次は何も言わず、タバコを足で消し、ズボンのポケットに手を突っ込んだまま歩き出した。
コンビニの前にはいつものように黒いベンツが停まっていた。あたしは勝手な事をしすぎた事に今更ながら3人の反応が怖くなった。
そしてゆっくりとあたしたちは近づいて行く。まだ少し距離があるというところで、ドアを蹴破るようにして中から出てきたのは虎太郎だった。
「羽流!!」
虎太郎はすごい剣幕であたしたちの方へ走ってくる。そしてあたしの腕を勢いよく引っ張り、
「何や?どういう事や」
今にも殴りかかりそうな虎太郎の声が響いた。