「俺は、施設に入ってた」

「…施設……」

「あの日、俺は引き取られた」


この目から、最早逸らす事なんかできなくて、あたしは直立不動のまま銀次の話に耳を傾けていた。


「あの公園から引き取られた家は遠かった」


「…そっか」


言葉が見つからない。こんな言葉で返してしまうあたしは、卑怯なんだろうか…


「じゃあ…どうして乱舞龍の情報をあたしに聞いてきたの?」


「……」


「走りの情報得たところで、狂犬はそんな回りくどいやり方しないって、言ってた…」