その日は、まだ暦の上での季節は秋だと言うのに、冬の空独特のほの暗い灰色の空だった。
あたしはいつものように朝のHRを抜け出し、屋上に来ていた。冷たい風があたしの全身を包み込む。首の痣を隠す為に制服の下に着ていたタートルネックのおかげでいくらか寒さは感じなかった。
大掃除が終わってからというもの、以前のように巡回をしていたのが、今は他のメンバーがやっているようだった。雅曰わく、龍平たち3人が巡回に出る事はまずなく、普段は下の者がするらしい。それだけあの時は普通じゃなかったらしく、今は朝ご飯も一緒に食べ、夜も皆一緒に過ごしている。