助けた?誰が助けてほしいって言った?

「助けてほしいなんて言ってない」

ようやく泣きやんだあたしは、今度は怒りが込み上げてきて、雅という男を睨んだ。

「誰も助けてほしいなんて言ってない。むしろあのまま死なせてほしかった。じゃあさようなら」

スッと立ち上がり、リビングを出ようとした。


「おい」

今度は何?

「何?」

立ち止まり振り返ると、今まで見た事がないような、まるで何かに刺されたような目で、あたしを睨んでいる男がいた。