「幹部に付けた事は乱舞龍の情報集めるのに絶好だった。まぁ結局馬籐恭に外されたけどな」
後ろではまだ無数の音が飛び交っていた。
「乱舞龍潰す為に狂犬に目を付けた。俺がこのチームを制す。…乱舞龍潰す為だけに、俺は人数、力をかけ集めた」
佐伯はそう言うと、クルッと踵を返し、その場を後にするように歩き出した。
その後ろ姿を見ながら、この大掃除は終わったと確信した。
俺も同じように踵を返し、まだまだ無数の音を響かせながら殴り合う空間に足を向けた。
その瞬間、俺の視界の端に佐伯が立ち止まった姿が目に入った。