「なぜ佐伯は幹部に置かれたか。理由は簡単。お前が断ったからだ」

「……」

「本当はお前を置くはずだった。けどお前は断った。だから佐伯が置かれた。それだけだ」



俺は幹部へ付くよう言われていた。しかし俺は断った。理由は簡単。関東の頂点に立つ乱舞龍の幹部に付く事が、あの時の俺には重すぎた。まだ中学3年のガキに何ができる。だから俺は断った。


「確かに佐伯は頭、力は相当優れてた。だけど一つお前より劣ったところがあった。俺はそれが佐伯自身にとっての命取りにいつかなるんじゃねぇかって危惧してた」

俺は静かにその続きを待った。