「ただいまー。ってえぇ!?」

びっくりしたような男の声が聞こえた。

「雅、こいつ誰やねん?」

「んー?ちょっと拾った」

「はぁ?わけわからんわぁ」


顔上げると、そこには新たに2人の男がいた。

一人はドカッと左奥の椅子に座り、こちらを見ている。

もう一人は一瞬あたしの方を見て、目の前の真っ黒なソファーに身を沈め、目を瞑った。

「んで、誰やねん?ちゃんと説明せぇ」

左奥の椅子に座る関西弁の男は赤茶色の髪を無造作に立てていた。

「んー、死のうとしてるとこ助けた」

あたしをここまで連れて来た雅と呼ばれる男は穏やかな声で答えた。