俺ら含め倉庫にいた全員が外に出て、狂犬を見据える。人数は乱舞龍と同じぐらいだ。狂犬はこの1年で大きく変わった。いや、佐伯銀次が総長になってからだ、狂犬が大きく変わったのは。1第目の時はまだ、300人程度の人数だった。規模は小さく、ただ走りだけをするようなチームだった。それが変わり始めたのは去年の冬。意外な噂が俺らの耳に入ってきた。


「狂犬がすごい勢いで人数増やしてる。薬もあらゆる犯罪もやり出してる。総長がアイツになって――」


アイツ。そう、佐伯銀次。佐伯は元々狂犬には入っていなかった。アイツは…佐伯銀次は…――