待つしかない。乱舞龍の無事も、龍平たちの無事も、銀次の事も。全てはこの大掃除が終わってから。



簡単に晩ご飯を済ませ、お風呂に入った。首の痣を隠す為、タートルネックの服を着た。


白ソファーには座らず、龍平専用の黒ソファーに腰を下ろす。龍平に近づける気がした。



「どうか、どうか翼だけはそのままで…綺麗な翼を折らないで…龍平、皆の翼を守って……」


あたしは膝を抱え、そこに顔を埋めながら何回も龍平に話かける。



「どうか、どうか…銀次にも翼を…」




屋上を出て行く銀次の後ろ姿を見ながら思った。


この人は翼を持ってないと。

飛べないんだと…