「他の、理由…?」 「うん。狂犬にって言うより佐伯銀次自身に」 それだけ言うと、雅はソファーから立ち上がり、リビングから出て行った。 あたしはまだソファーに座ったまま、雅の言っている意味はもちろん、今乱舞龍に起こっている状況が理解できなかった。ただ言える事は、狂犬が動き出したっていう事。銀次が、動き出したっていう事。