佐伯銀次。
本当にあの日の銀次なの?
「羽流ー」
あたしは将人の声でやっと我に返った。
「わりぃ、寝坊しちまってよぉ。ほれ、昼飯買ってきたから一緒に食おうぜ」
将人はコンビニの袋から大量のパンとオレンジジュースをあたしにくれた。
「将人、今何時?」
「12時半だけど、羽流ずっとここで寝てたとか!?」
12時半…あたし3時間もボーっとしてたんだ……
「授業出ねぇとダブるぞ」
将人はパンを食べながらケラケラと楽しそうに笑った。
「将人に言われたくないよ」
「おまッ…ゴホゴホッ!!」
「もう、おとなしく食べないからー」