龍平はあたしの肩から顔を上げ、あたしを見据える。
「羽流の大事なもん受け入れる」
「…ありがと」
あたしは龍平に腕を握られ、そのまま部屋へと戻った。
リビングへ入ると、3人はそのままの状態で、一斉にあたしたちを見た。
あたしと龍平は黒ソファーに座り、龍平がゆっくり話始める。
「遠藤、お前は羽流の大事なもんだ。だから、俺はお前を受け入れる」
「…俺も、お前を受け入れる。羽流の大事なもんだから」
「雅、虎太郎」
龍平は雅と虎太郎に言う。
「羽流の大事なもんは俺らは受け入れる。羽流は俺らの仲間だからな。…わかるよな?」
「わかった」
「しゃあなしやで」
雅と虎太郎の声は、穏やかだった。
「よろしくな。総長さん」
八重歯を見せて笑う将人。
「上等」
龍平も口端を上げて笑った。