「龍平、あたしね、まだまだ好きとかっていう感情がわからない。大事、大切って事はわかるよ。でも好きって気持ちはわかんない」
「…羽流……」
龍平はあたしの腰に手を回すと、自分の方へ引き寄せた。あたしと龍平の間には距離なんて言葉はもうなかった。
「…でもね、一緒には死にたくない。今のあたしは死にたいとも生きたいとも思ってないけど、生きてみようと思う。だから龍平に今言ってほしい言葉はそれじゃない」
「…羽流……」
龍平はずっとあたしの肩に顔を埋め、あたしの名前を呼ぶと温かい息が首筋にかかった。
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