「……えっ…」

あたしは顔を上げ、龍平を見上げる。


「俺以外の奴が羽流に触れたり、俺以外の奴が羽流の目に映ったり、俺以外の奴に羽流が守られたりすんのなら、一緒に死んでくれよ」




こんなに切なく、辛そうな龍平の顔は初めてで、あたしは震えた。



「…お前の事、好きすぎて辛ぇよ……」




ここにいるのは、乱舞龍の総長じゃなくて、周りが恐れる龍平でもなくて、ここにいるのは、ただの安西龍平という男だった。




「…龍平」

あたしは龍平の頬に手を添える。




だから将人は今日ここに連れて来られたんだ。宣戦布告。将人があの日あたしの事を好きだって言ったから。あたしは関係なくなかった。むしろ、あたしが一番関係あった。