「将人…!?」
「自分の気持ち言えねぇくせに喧嘩ふっかけてくんじゃねぇよ」
「お前…!!」
虎太郎が椅子から立ち上がるのを龍平が手を少し上げて制止した。
「…何やねん!!」
虎太郎は龍平をグッと睨みつけ、
「ここまで言われて黙ってんのか!?お前はアホか!?」
龍平に向かって怒鳴り散らす虎太郎の目は血走っていた。
「虎太郎、やめな。羽流ちゃんの事考えろ」
雅は虎太郎に目だけを向け、冷たく言い放つ。
「…ッ!!俺は羽流の事大事や!!龍平にやったら任せてもええ思っとったけど、こんなヘタレに任せてられやんわ!!」
「おい」
龍平は低い声で、相変わらず将人を見据えたままで口を開いた。
「誰にも渡す気はねぇよ」