「お前が今日ここに入るのは特別」 低く、冷たい雅の声は確かにそう言っていた。 「龍平、喧嘩とかしない…?」 あたしは龍平の顔を見ながら聞いた。 すると龍平はあたしの膝の上に固く握られている手を、その大きな手で包み、ギュッときつく握った。 「大丈夫だ」 龍平の手が温かくて、あたしはもう一方の手であたしの手を握っている龍平の手を握った。