チン――



エレベーターの扉が ゆっくり開く。あたしは２人の後をトボトボと付いて行く。



一番奥の角にあるのがあたしたちの部屋。虎太郎はポケットから鍵を取り出すと、ガチャガチャしながら玄関を開けた。



「帰ったでー」


やっと虎太郎の声が聞けたと思った矢先、「お前はここで待っとけ」とあたしの前にいる将人に向かってすごく低い声で言った。


「羽流は早よ上がり」


そう虎太郎に言われたあたしは将人の顔を見る事ができず、俯きながら横を通り、虎太郎と一緒にリビングに入った。