車の中は静かだった。誰も口を開こうとはせず、これから何が起こるのか、それだけがあたしの不安を煽ってた。

いつもの帰り道なのに、今日はどこか知らない街を走ってる気がして、あたしはただ窓から流れる景色を見る。


「着いたよ」


雅の声でマンションに着いた事を確認した。



もっと走っててくれても良かったのに…


雅が車を駐車場へ停めてくるので、あたしたちは先にエレベーターに乗り、部屋へと向かう。



エレベーターの中でもやっぱり無言で、虎太郎と将人の顔は真剣で、2人共ピリピリした雰囲気だった。