――あの日、羽流から遠藤将人の話を聞いた日。


俺はすげぇイラついてた。羽流から遠藤の名前が出る度にイラついた。


「龍平、羽流ちゃんの携帯にGPS付けといた方がいいと思う」

「羽流に何かあったら守んのは俺らや。遠藤とかいうわけわからん奴ら信じられへんわ」


その日の夜、羽流が寝た後に雅の部屋に俺らはいた。


「あぁ、そうだな」

「俺、羽流ちゃんが他の男に守られてんのとか無理」

珍しく5本ものタバコを吸いながら雅が言う。相当イラついてる証拠。

「しかも興味あるって何なん。おちょくってんのか」

虎太郎は今にも暴れ出しそうなほど落ち着きがなく、貧乏ゆすりが半端じゃない。


「…何か俺らって、かなり羽流ちゃんの事好きだよね」

自嘲気味にフッと笑いながら雅は言う。






「……完璧ただのヤキモチやん…」