――朝だ…

いつの間にかあたしはマンションのソファーで寝ていた。


「はい、はい。…よろしくお願いします」

雅の声だ。誰かと電話してる。

「雅!!」

「羽流ちゃん!!」

雅はあたしをギュッと抱きしめた。

「雅、痛い…」

「羽流ちゃん…」

何でそんな切ない声なの?

「あっ、学校行かなきゃ」

あたしは雅から離れようと胸を押した。

「羽流ちゃん…」

「ん?」

「ちょっとの間、学校休も?」


えっ……?


「何で?」

「羽流ちゃんね、ちょっと体調悪いみたいなんだ。だから学校はしばらく休も?」

「あたし、元気だよ?」