着いたところは誰もいない真っ暗な丘の上。バイクを停めてヘルメットを脱ぐ。 「ここどこ?」 「まあまあ。俺の後に付いて来いよ」 将人はあたしの歩幅に合わせるようにゆっくり進む。15分ぐらい歩いたところで足を止めた。 「将人?」 「前見て」 将人は後ろにいるあたしを前に押し出す。 「うわぁ……」 そこに広がるのは見た事のないような夜景。 「綺麗だろ」 「うん…」 言葉が出なかった。