「ただの一匹狼」

「答えになってない…」

「まぁそういう事。んで、お前の名前は?」

「高山羽流」

「羽流ね。俺の事は将人でいいから」

「…あのさ」

「ん?」

「何で停学なってたの?」

「あー…ただそこら辺の奴と喧嘩しただけ」


チラッと将人の手を見る。喧嘩なんてした事ないような綺麗な手。だけどあのギャルたちの反応は尋常じゃなかった。本当にコイツ何者…

「おーい」

将人はあたしの顔の前で手をヒラヒラさせてた。

「意識飛んでんじゃねぇよ」

そう言ってまたあの八重歯を見せて笑った。


あんたの笑顔、嫌いじゃないよ。