コイツ、一体…

「急に走ってくから追いかけんの必死だったし」

そう言って階段に腰を下ろし、タバコを取り出すと火をつけた。

「あんた何者?」

そいつは自分の隣をポンポンと叩き、「まぁ座れ」と言って、あたしはそこに座った。

「あーあ、痛かっただろ」

あたしのグシャグシャになった髪の毛を大きな手で撫でていた。

「やめて」

そいつの手を払い、自分で直す。