「朝靴箱のとこで言ってた悪口、あれお前にだろ?気になって後追ったらここだった」

「…だから何?」

涙が出てくる事に腹が立つ。こんな奴の前で…

「ほっといてよ!!」

あたしはそいつの胸をおもいっきり押して、走って屋上から出た。

走って、走って…

「ハァ……ハァ…」

非常階段の踊場。屋上を見つける前はここにいた。

ひんやりとした壁に左手をつき、速すぎる鼓動と呼吸を整える。








「あっれー?みにくいアヒルの子発見ー!!」

あたしの目の前には数人のギャル。あたしを見てニヤニヤし、顔を上げた瞬間髪の毛をすごい力で引っ張られた。

「やッ…!!」

痛い痛い痛い!!

「抵抗してんじゃねぇよ!!」

一人のギャルが拳を握り、あたしの顔目掛けて殴ろうとした瞬間、

……止まった?