そいつはあたしの前で止まり、タバコを携帯灰皿に捨てた。

「何?」

龍平のように背の高いそいつを見上げる。

「俺、お前に興味ある」

フッと笑った時、八重歯が見えた。

「あたしはない。しかも何でここにいんの?」

「だってここの鍵壊したの俺だし」


コイツが…?でもこんな奴知らないし、あたしは一回もここで会った事ない。

「あたしあんたの事知らない」

「席隣だけど?」

「席隣だろうが知らない」

だってあたしは周りに興味がない。