「誰?」

あたしは睨むように男を見る。

「お前こそ誰?」

「…ってか何でここにいんの!?」

「お前こそ何で?」

ダメだ…埒があかない……

「もういい。じゃ」

立ち上がり、ドアに向かって歩き出そうとした時、そいつはあたしに言った。


「遠藤将人」


えっ……?

思わずあたしは振り返った。

「俺の名前」

いつの間にかタバコをくわえ、柵にもてれかかりこっちを見ていた。

「あっそ」

興味ないから。

そんなあたしの反応とは裏腹に、そいつはあたしに近づいてきた。