多分、ウトウトしてたと思う。だからあたしの隣で同じようにして寝転がっている人がいる事には気付かなかった。

――キ-ンコ-ンカ-ンコ-ン

チャイムの音で目を覚まし、ムクっと起き上がる。

「はッ…?」

横でスースー寝息をたてて寝ている男にびっくりした。

「ちょっと!!」

混乱するあたしはその男を揺さぶった。

「…んだよ」

不機嫌な声でその男は目を覚ます。

「あ?」

寝転んだままあたしを見る。そいつはいかにも不良っぽく、オレンジ色の頭に、制服なんか着ているのかどうかわからないぐらい着崩していた。