ガチャ

「龍平ー、朝だよ」

相変わらず黒一色でムダな物は何もない部屋で、龍平はベッドで寝ていた。

「龍平ー」

「…んー」

寝てる時はこんな無防備で可愛いとすら思ってしまう。

「羽流…」

龍平が目を細く開いてあたしを呼ぶ。

「ん?」

「負けんなよ」

あたしはいきなり腕を引っ張られ、ベッドの中に入ってしまった。

龍平はあたしを抱きしめる。


あたし、ここにいてもいいんだね。



「負けないよ」


さぁ、踏み出すよ。