9月1日。
始まりの朝は、まだまだ夏なんだと思わせるように鳴く蝉の声がうるさく耳に入った。

ソファーから起き上がり、まだ誰もいないリビングで1ヶ月振りに制服に袖を通す。

洗顔を終え、リビングに入ると雅と虎太郎がいた。

「おはよ」

雅の笑顔。

「羽流の制服姿初めてやぁ」

虎太郎の無邪気さ。


…あたし、ここにいていいんだよね?


「おはよ」

「羽流ちゃん、龍平起こしてきて」

「わかった」