「結局お父さんとお母さんは死んだ。お父さんは少し前にリストラにあってて、それをどうしてもあたしたちには言えなかったみたい。それがお父さんを追い詰め、心中しようとしたんじゃないかって思ってる」
真実はもう今となってはわからないけれど、人一倍真面目で仕事人間だったお父さんからして、それは紛れもない真実に思えた。
「あたしは右頬に火傷を負った。こんな醜い顔だからってあたしを引き取る親戚は誰もいなかった。引き取らない代わりにと、毎月の生活費とあのアパートを借りてくれた」
鏡を見る度鳥肌が立ち、ゾッとした。
―醜い―
その言葉があたしにぴったりだと思った。